●MC4


いやーーー、というわけで

はい!!
芸人の入り方なんだよなあ。
歌のエモの余韻を一発で吹き飛ばすMC、これもまた彼女たちの魅力です、きっと、たぶん。

頭からここまで、我ながらハードな選曲だったなぁ、と苦笑いするヨミ。
それは確かにそう。
配信でライブの選曲は「盛り上がりに全振り」と予告していましたが、歌う側の大変さすら無視しての100%全振りとは。
全曲、叫んで跳ねて腕・頭振ってーしちゃいました。
「過去一くらい盛り上がってるんちゃうか」というヨミの言葉は、観客を盛り上げるためのリップサービスではないでしょう。
「ライブハウスで、しかも生バンドでカバー曲を演ることができているのも、カバーさせてくださった本家さま、演奏してくれているバンドメンバーの皆さまのおかげです」
というヨミの言葉。
これこそ本当にその通りです。


お辞儀をするヨミとカスカ、そしてBELLSの拍手。
ガッツポーズで応えるギター・坂本ニキとドラム・ホリエマム氏。
丁寧にお辞儀を返してくれるキーボード・鳥山氏。
クールなベース・中村圭氏もにっこり笑っててかわいいね。

ここからラストスパート・・・
フロア「えええええええ!!!????」

VESPERBELLのオリジナル曲で!
フロア「うおおおおおおお!!!!!!!!」
BELLS、ちょろくてかわいいね。

それじゃあ聴いてください、

せーの、

――ignition
13. ignition
――鳴り響く 心根火が灯る

静かな入りから、

もっと来い、LIQUID!!!!

ヨミの叫びに、

フロアは即時、再点火!!!!!
ここでignition(=点火)を持ってくるの、ずるい。
カバー曲も盛り上がるけどね、やっぱりね、オリジナル曲は一体感が違いますよ。
フロアのOi!! Oi!!の勢いがもう全然違う。
実家のような安心感。
ignition、個人的に滅茶苦茶アツい選曲です。
VESPERBELLオリジナル楽曲をリリース盤ごとに系譜付けると、
- 初期(「RISE」~「EX MACHINA」)
:すべて井上幹氏が作編曲 - 1stアルバム「革命」
:ゲストコンポーザー多数 - メジャーEP「RUMBLING」
:『VEENA』のトータルプロデュース
・・・の3つに分けることができると考えています。
(もっとも、「革命」収録曲もゲストコンポーザーの曲以外は井上幹氏の作編曲ですが。)
音楽的な特徴に目を向けると、
3. 「RUMBLING」収録曲は、各曲ごとに様々な音楽ジャンルを取り入れながらも、1枚のE.P.としてはEDMライクな重厚さと鋭さの味付けで調和が取られている印象です。
(2. 「革命」はゲストコンポーザーがそれぞれの”色”を出していて、一括りで語ることはできません。)
一方、1. 初期曲たちは、オーソドックスなポップス・ロックの楽器構成・楽曲構造を基調に作られ、ハードロック方向には振り切らず、アクセントとしてロックのなかでも現代的な・お洒落なエッセンス(ジャンルとして何と呼ぶのかわかりません)が散りばめられている、といった感じ。
どちらの音楽も好きですが、「ライブハウスで生バンド演奏を聴く」という機会であれば、どちらかでいえば後者の曲を聴きたいと思っていました。
(もっとも「私が生バンドで一番聴きたかった曲」は別です。すぐに出てきます。)
そういうわけで待望のignition。
ライブに合わせた楽器の音作り。
生演奏ならではの音の粒の揺らぎ。
ライブハウスならではの音の圧や鳴り。
いやーーーー思っていた10000倍良い。




言わずもがな、ヨミとカスカのパフォーマンスも最高。

というかサビの上ハモ。
いま13曲目ですよ??
どんなスタミナしとんねん。
(このハモをやり始めたのはライブ『RUMBLING』からだと記憶しているんですが、そのときはignitionは4曲目でした。)
元から歌唱力・ライブ力抜群の2人ですが、ライブの度に上積みを重ねていくの、本当にすごい。
彼女たちは、これから先、どんな高みに登り詰めるのだろう。
大声でノリながらも、そんな感傷に襲われて感情がバグってしまいました。
気づけば終わっていた・・・。

14. 或いは虚空に夢を視る

八分音符を3・3・3・3・2・2でコードチェンジして刻むギター。
その音をバックに、

LIQUID――――!!!!

もっと声聴かせてくれよ!!!!
2人の強烈な煽りから始まったのは、或いは虚空に夢を視る。
1stアルバム「革命」収録曲。
作詞作曲は『岸田教団&THE明星ロケッツ』の岸田氏。
同バンドのHIGHSCHOOL OF THE DEADはヨミがMVでカバーしています。
同バンドの楽曲の特徴は、聴くだけで「これって岸田教団?」とわかるような超攻撃的なギターを軸とした疾走感のあるロック・サウンド。
バンドで演る前提の、バンドだからこそ輝く音。
或いは虚空に夢を視るも例に違いません。

ヨミとカスカの煽りに負けじと、全員が叫び、拳を振るフロア。
私が夢に視ていたのは、これです。
この曲こそ絶対に生バンドで聴きたいし、それを現地で浴びて、みんなで拳を挙げられたら最高だよなと願っていました。
「生バンドライブの現地で」一番聴きたいと思っていた曲です。
実際聴いてみて・・・とにかく最高!!!!
もう言葉が追いつかないので、最高とだけ。
さらに欲張ってしまうと、次は2ギター構成で聴きたい…という願望が生まれてしまいました。
音響面では、この曲に限ってはギターがもう少し主張しても良いと思いました。
個人的にエモかったポイント。
Cパート
僕らはどうしたって一つの世界で生きてくしかないんだと
のところ。
1stワンマンライブ『RAMPAGE』では、ヨミとカスカさんが正対して語り合うように歌い上げる姿が本当にエモでした。
歌声も、生き方も、対照的な2人。
その2人が寄り添って、1対の翼となって羽ばたく『VESPERBELL』というデュオの歩みに思いを馳せずにはいられませんでした。
今回、3rdワンマンライブ『BEYOND』では、2人が向かい合うのではなく、2人ともが真っ直ぐ私たちフロアを向いて歌います。

即興性の強い彼女たちのパフォーマンスですから、深い意味はないのかもしれません。
その可能性のほうが高い気もします。
ですが、私はそこに意味を見出さずにはいられません。
彼女たちと私たち。
たくさんの偶然が重なり合って、今こうやって恵比寿LIQUIDROOMで向き合うことができている。
発信者と受信者、アーティストとファン、ステージの上と下、お互い理解できないこともたくさんある。
彼女たちと私たちに限りません。
今ここで肩を並べているBELLSたち。
年齢も性別も社会的属性も考え方もバラバラです。
それでも、『VESPERBELL』を繋ぎ目に、お互いの人生のなかのひとときを寄り添って並走することができている。

少なくとも今この瞬間は、年齢も性別も、ステージの段差も、次元も、すべての壁を超えて同じ星空を掴めた気がします。
そして、次の曲が始まります。
15 Bell Ringer

ラストです。みんな出し切ってくれ。

――鳴り響け
静かなハーモニーから始まり。

I’m Bell Ringer!!
あっこれ進研ゼミでやったやつだ!
ちょっと声が小さかったので、次までにぜひ予習しておいてください。
そういうわけで、ラストを飾るのはBell Ringer。
メジャー1st E.P. 「RUMBLING」のリード曲として先行リリースされた曲です。
ライブ直前配信で2人が「まあやるでしょ」と挙げていた3曲のうちの一つです(あとの2つはRISEとRAMPAGE)。
2人が「原曲とバンドアレンジで別の曲になった」とも言っていたサウンド。
原曲は、日本屈指のDJと評されるKSUKE氏による作・編曲です。
同氏がダンスミュージックのエッセンスを盛り込んだサウンド、キックと空間を満たすような(サブ)ベースの重さ、電子音をふんだんに使った鮮やかさは、間違いなくVESPERBELLの新しい地平を開きました。
しかし、生バンドライブで演る音は別物。
ゴリゴリとアタックがあり粒の立ったベース、ロック叩いてます!!といわんばかりのドラムが、曲の雰囲気をガラッと「生バンドライブ仕様」に変貌させます。
めちゃくちゃノれる!!!!
「I’m Bell Ringer!!」のところのタム回しもくそかっけえ。
ライティングも、

青!!!

赤!!!
目まぐるしく変わる様はMVの世界そのもので、バキバキにかっこいい。

ときには白が闇を切り裂きます。

ライトバングルもめちゃめちゃ綺麗ですね。
記事を書きながら気付いたのですが。
或いは虚空に夢を視るで「響け星空の歌」「進んでいこうこの先の景色へ」と歌い。
次のBell Ringerで「空の彼方へ 恐れず羽ばたけ」と歌うの、めちゃくちゃエモくないですか?????「鮮やかであれ 世界を照らせ」は、もう、俺達からVESPERBELLへの祈りそのものですよ。
さて、エモくなっている場合ではありません。
この曲には、皆さんお待ちかね、本日2度目のヘドバンがあります。
Make Some Noise!!

ヨミの号令。

一斉に頭を振るBELLSの群れ。
(画像だと迫力が伝わらないのが残念でなりません。)
手ぇ広げてるカスカさんかわいいね。

見てくださいよ、ヨミのヘドバンの深さ。

坂本ニキの沈み込み。

圭さんまで頭振ってくれてます。
この一体感、最高。

我らが王より本日2度目の「よく出来ました」を賜り、

沸き上がるBELLS。
ラスサビ直前、ヨミの煽り。

LIQUIDROOM, Let’s GO!!!!!!!!!!!!!

最後(仮)の曲の、最後のサビに、残る力をぶつけるBELLS。
ヨミとカスカの魂を燃やす熱唱。



そして、曲が終わり。

ありがとうございました、
VESPERBELLでした!!

「みんなありがとう!!」と大きく手を振りながらフェードアウトしていく2人。
照明が落ち、バンドメンバーも退場していきます。

コメント