この記事は、直接的にはVESPERBELLの切り抜き動画を想定していますが、
【Part 1】~【Part 3】の多くの部分は他のVTuber/singerさんの切り抜き動画一般についても妥当すると思います。
【Part 4】で検討する二次創作ガイドラインは、RK Music共通のものであり、REALITY Studios各プロダクションのものとほぼ同じです。
VESPERBELLに限らず、切り抜き動画を作っている皆様のご参考になれば嬉しいです。
まえがき――この記事の目的と、章立て
2月10日に行われたVESPERBELLチャンネル登録者30万人突破記念配信で、
「切り抜き動画を作るにあたってはガイドラインを遵守するように」
とアナウンスがありました。
動画の作成者・視聴者の方の中には、
「この動画って、ガイドラインとか著作権的に大丈夫なのかな…?」
「削除されたりするのかな…」
と疑問や不安もあるかと思います。
そこで、切り抜き動画と著作権・ガイドラインについて解説しようと思います。
また、前提となる著作権法の基本を、
「これぐらいは、クリエイターだけでなくコンテンツに触れる人の全員が知っておいたほうが良い」
というレベルでわかりやすく(大雑把に)解説します。
1つの記事で説明するには長いので、
【Part 1】知っておきたい著作権の仕組み ⬅️この記事
【Part 2】「切り抜き動画」は著作権を侵害するか?
【Part 3】著作権を侵害してしまったらどうなる?
【Part 4】RK Musicのガイドラインを読んでみる
の4部に分けます。
著作権について基本的な知識がある方は、【Part 2】からお読みください。
(もしわからないところがあったら【Part 1】に戻ってきてください。)
すこしでも読みやすくなるよう、文字やブロックの色etc..を使い分けています。
文字の色使い
赤字…重要なポイント
太字…赤字の次に重要なポイント
下線…注意して読んでほしいポイント
緑字…具体例
青字…補足や私の意見など、あまり重要でないこと
黄色…問題提起や、問題となった事件
…といった感じに使い分けています。
拾い読みしたい方は、まずは赤字と太字を読んで見て下さい。
段落の囲み
「ひとまとまりの結論」
他の文献からの引用
引用元(ネット上の記事やネットで見れる裁判例にはリンクを付けています)
(※引用中の青字部分は筆者が付け加えたものです)
(※太字加工も筆者による強調です)
補足など
他にも適宜、見やすいように使います。
注(アコーディオン)
本文は「これだけ読めば最低限の意味は通じる」という程度に圧縮してあります。
それ以外の部分は全て+ アコーディオンに押し込んでいます。
ナイスタップ!
注の種類
【補足】…本文の内容を理解するための説明。
【参考】…本文をもっと深堀りする議論など。
【紹介】…本文と直接関係ないけど、面白い事件や議論の紹介。
【余談】…本文から大きくはみ出たトピック。
色分け=重要性
重要度を☆0~4に分けています。
赤に近いほど重要です。
難しいもののマーク
応用:法律的な議論です。法学部生や法律に興味のある方向け。
凡例など
法律の条文について
○○法、と書いてないものは著作権法です。
裁判例について
○○事件(呼び名がある場合) +判決日 +事件番号
で書いています。
(一部、事件番号が不明なため省略しているものがあります。)
裁判所webサイトなどで読めるものを優先して、リンクを張って紹介しています。
リンク先のページを下にスクロールして、全文を押すと判決文(PDF)を読むことができます。
書籍の略称
本文の中で、書籍・文献の内容を紹介しています。
頻繁に紹介する文献は、以下のように略して呼びます。
・中山 『著作権法』第4版 中山信弘 2023,有斐閣
・作花 『詳解 著作権法』第6版 作花文雄 2022,ぎょうせい
・島並ほか 『著作権法入門』第4版 島並良, 上野達弘, 横山久芳 2024,有斐閣
・第一コンメ 『著作権法コンメンタール<改訂版>』Ⅰ~Ⅲ小倉秀夫,金井重彦(編著) 2020, 第一法規
参考にした書籍
上に書いたものの他に、記事の執筆にあたって参照した書籍を紹介します。
(一部分のみ参照したものを含みます。)
【教科書・体系書】
- 『知的財産法の理論と実務4️⃣ 著作権法・意匠法』 牧野利秋,飯村敏明,三村量一,末吉亙,大野聖二(編) 2007, 新日本法規
【コンテンツ制作に関わる人向けの本】
- 『映像の著作権』第2版 二瓶和紀,宮田ただし 2016,太田出版
映像コンテンツの制作サイド(東宝・文藝春秋映像企画部)に勤められた二方によるQ&A方式の解説です。 - 『著作・創作にかかわる法律 これでおさえる勘どころ』岡本健太郎 2024,法研
岡本健太郎先生は、後述する”骨董通り法律事務所”のパートナー(共同経営者)です。
例が豊富で、わかりやすい表現で説明されています。
【エンターテインメント分野を総合的に扱うもの】
- 『エンターテインメント法』金井重彦,龍村全(編著) 2011,学陽書房
- 『エンタテインメント法実務』骨董通り法律事務所(編) 2025,弘文堂
「骨董通り法律事務所」は、アート・エンターテインメント関連の法分野の第一人者である福井健策先生が共同設立した事務所です。 - 『エンタテインメント法務Q&A』民事法研究会
「民事法研究会」は民間の出版社ですが、著名な研究者・法曹による民事法実務関連の書籍を多く出版しており、その分野での第一人”社”です。
その他の文献
私の手の届く書籍・文献は
・市立図書館にあるもの
・県立図書館から取り寄せられるもの
・web上に公開されているもの
…だけです。
専門誌の文献等は読むことができません。
web上で公開されている文献については、すべてリンクを張っています。
この記事シリーズは、著作権法の書籍・文献を参照しつつ、間違いのないよう作成していますが、正確性は保証できません。
特に【Part 1】は「誰にでも読めるし、読んで欲しい」まとめ版として書いているので、例外や細かい話をかなり大胆に無視しています。
(詳細な検討は、別の記事にて改めて書く予定です。)
コメント
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